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村上春樹と日本人の精神の古層ー雑誌「WIRED」でのインタビューに対してー

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 雑誌『WIRED』日本版でのインタビュー  『WIRED』日本版vol.33に「村上春樹、井戸の底の世界を語る」というデボラ・トゥリースマンによるインタビューが掲載されています。(この記事はネットでも公開されています)  井戸の底  井戸の底というのは村上春樹の最新作「騎士団長殺し」(2017年2月初版発行)に由来しています。  村上春樹氏はその執筆について、「執筆中は、現実と非現実が自然に渾然一体となっていく」と述べています。  村上春樹氏は 「非現実的な世界と現実的な世界との境目がはっきりしているようには、僕自身は思えない。だから、いろいろな状況でふたつの世界は渾然となるのです。異界というものは、現実の世界の間近にあると日本では捉えられているのではないでしょうか。向こう側に行こうと決めたら、行動に移すのはさほど難しいことではない。西洋の世界では、異界に達するのは容易ではない。幾つかの試練をくぐりぬけ、やっと向こう側に到達できると思われがちです。でも日本では、もしあちら側に行きたいなら、行けるものなのです。だから僕の作品でも、井戸の底へ達したら、そこは違う世界となるわけです。だとすれば、こちら側とあちら側を、区別する必要もありません。」  と語っています。  前古代の日本人の死生観  村上春樹氏がインタビューで語っているのと同じようなことが、最近読んでいる本の中に出てきました。  その本は、NHK出版の「役に立つ古典」安田登著 です。  この本の中の「古事記」について書かれているところにそれは出てきます。  「古事記」の記述の中に私達が忘れてしまっている、はるか昔の日本人の心のありようを見ることができると言っています。  黄泉について  私達は「黄泉」の国、すなわち冥界は地下にあるとなんとなく感じています。ところが、古事記にはその境目は「黄泉比良坂」(よもつひらさか)と表されています。黄泉の世界と現世との平らな境目という意味です。  前古代の日本人にとっては黄泉の国は地続きの存在として認識されていたのです。  「死ぬ」ということ  同じく古事記の中に大国主命(おおくにぬしのみこと)の話があります。大国主命は兄たちによって、何度も死に追いやられ、何度も生き返ります。  古代人にとって、「死...

booklive!のレビューポイントについて 感想でポイントを獲得!

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 レビューポイント  boollive!の購入済みの書籍に対する、50文字以上のレビューに10ポイントのbooklive!ポイントが付与されるようになりました。1月に最大500ポイントが付与されます。それとは別に2019年11月13日以降の初めてのレビューには+100ポイントが与えられます。  50文字以上の感想  本を読んだら、できるだけ自分の覚えのために、感想を書くようにしています。  その中で、うまくまとめれたものは、何本かブログにアップしています。  うまくまとまらなかったものは、今までは、自分の記録でしかなかったのですが、それがポイントになるのはうれしいことです。  本の感想というのは、どうしてもあらすじを追ったものになってしまいまがちです。そういうものも、ネタバレありで投稿できるのはありがたいです。  booklive!リーダーからのレビューの書き方  購入済みの書籍からのレビューが、ポイント付与の対象になるので、booklive!リーダーからレビューをすると間違いないです。  私は、google keep で先に書きますが、その場合もkeepの文章をクリップボードにコピーして貼り付ければ使うことが出来ます。  booklive!リーダーにて本を開く。  開いた画面の中央をタップし、メニュー画面を出す。  共有アイコンをタップする。  「レビュー・共有」 からレビューを選ぶ。  レビューの画面が開くので、まず星を付けて、50文字以上のレビューを書く。  確認→投稿  星は必ず必要です。星を付けなければ投稿ができません。  レビューニックネームは自分のbooklive!でのニックネームが入ります。名前を付けたくない場合は空欄でも構いません。  タイトルも空欄で構いません。  レビューは50文字以上書きましょう。  ポイント付与には審査もありますので、そのつもりで書きましょう。  レビューを書くポイント  レビューを書くマスの下に「ネタバレの内容をコメントに含む」というチェックボックスがあります。こういう項目を造るほど、本のレビューというのは、あらすじを含むものになりやすいということです。  自分の感動を人に伝える場合は、その場面を再現して伝えた...

「色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年」 村上春樹 の感想・読後レビュー 共同体から切り離された個人の苦しみ

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 村上春樹が、ベストセラー長編小説「1Q84」の後に出版した13作目の長編小説になります。  理想的な共同体である、高校からの5人グループから、突然放り出された田崎つくるが、なぜそのようなことになったのかの真の理由を求めてそのメンバーのもとを巡り歩く物語です。  現代の人間が、それ以前の共同体的なものから切り離され、自立した個人を確立していく過程の苦悩を象徴しているものと思います。  このテーマは明治以降、夏目漱石の文学にも出てくる日本では普遍的なものであります。  この後の著述にはネタバレに関する内容を含んでいますので、注意してください。  容貌が変わるほどの苦しみ  田崎つくるは高校時代からの5人組と深く完璧な人間関係を築いていました。  つくる(作)以外の4人には、それぞれ色彩に対応する名前が付いていました。そして、5人の中には、それぞれの役割が付いていました。  青海悦夫(ミスターブルー)=脳天気なスポーツマン  赤松 慶(ミスターレッド)=インテリ   白根柚木(ミスホワイト)=可憐な乙女  黒埜恵理(ミスブラック)=コメディアン  色彩を持たない田崎つくるはハンサムボーイです。  つくるは突然そのグループから絶縁を言い渡されます。”まるで航行している船の甲板から、突然一人で夜の海に放り出されたみたい”に。  そのことで深く傷ついたつくるは、死について、自分を消滅させることについて真剣に思うようになりました。  その結果、つくるは体つきも顔つきも、まったく別人と思えるぐらいに変わってしまいます。  それは、ガンなどを宣告され、闘病の末にやせ衰えた姿で出てくる有名人を思い起こさせました。ある俳優がガンで死ぬ前にインタビューに応じていた姿はまさに容貌が変わってしまったという表現があてはまります。  5人と名古屋  彼ら5人は名古屋で生まれ育っています。その完璧なグループは名古屋市の郊外にある公立高校で作られました。  そのように閉じたグループで、仲間内で仲良く青春を送るという場所として、名古屋はふさわしい場所であったのでしょう。  名古屋は、”心地よい温もり”のあるところで、経済も、文化もほぼ名古屋圏で完結することができます。  村上春樹は”村上さんのところ”の中で  「この本を書いてい...

世界を変えた10冊の本 池上彰 感想・読後レビュー 世界のニュースを見るときに知っておきたい本

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紹介されている資本論のマルクスの似顔絵  池上彰さんが「世界を変えた本」10冊を選んでその内容を分かりやすく解説した本です。  1   アンネの日記  2   聖書  3   コーラン  4   プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神  5   資本論  6   イスラーム原理主義の「道しるべ」  7   沈黙の春  8   種の起源  9   雇用、利子および貨幣の一般理論  10 資本主義と自由  という選定になっています。  池上彰氏について  池上彰氏はフリーのジャーナリストです。  1950年生まれ。慶応大学卒業後、NHKに記者として入社しました。NHKの「週刊こどもニュース」のお父さん役としてわかり易い解説で人気を博しました。  フリーに転身後は「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」や、選挙特別番組「池上彰の選挙スペシャル」などの番組でキャスターをつとめて活躍しています。その一方、名城大学教授、東京工業大学特命教授など、多くの教授職を兼任しています。  「アンネの日記」  「世界を変えた10冊の本」は女性誌「CREA」で、毎月1冊ずつ、連載したものです。女性をターゲットにしているから、「アンネの日記」が一番はじめにきているのでしょう。  池上さんは「アンネの日記」があるから”アラブ諸国を除く国際社会がイスラエルの味方をするのだ”と解説しています。  思春期に、性に目覚めていくアンネと、ユダヤ人女性としての自覚に目覚めていくアンネと、2つの面に注目しています。  宗教の本「聖書」「コーラン」「イスラーム原理主義の道しるべ」  2000年代はテロの時代でした。それを読み解くためには、「聖書」「コーラン」に関する知識が欠かせないでしょう。  日本は西洋の影響を大きく受けているので、「聖書」に関する話は日常でも触れる機会が多いと思います。  旧約聖書、新約聖書の”旧約”、”新約”とは、古い契約、新しい契約の意味です。押さえておきたいポイントです。  対して、イスラム教の「コーラン」はアラビア語で書かれていることもあり、詳しく説明を受けてもよく分からない点が残ります。池上さんはコーランを穏やかな経典...

「水辺のブッダ」 ドリアン助川 感想・読後レビュー 社会の暗部を描く

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   映画「あん」で一躍有名になったドリアン助川の最新作です。  ホームレスと、社会から転落していく少女を描いています。最後はとても悲しいけれど感動の結末をむかえます。  ドリアン助川について  ドリアン助川は1990年ロックバンド「叫ぶ詩人の会」を結成し、独自のスタイルで叫ぶそのパフォーマンスで話題になりました。その後アメリカに渡り、日本での活動から姿を消していましたが、映画「あん」で、再びその名を広めました。  ニッポン放送のテレホン人生相談のパーソナリティとしても知られています。  あらすじ  ここからは本の内容について書いていますので、ネタバレに注意してください。  望太は新宿のホームレス。多摩川に入水自殺を試みるも京王相模原線沿線のホームレスに助けられる。  そして、そこで新たなホームレスの生活が始まります。  もう一人の主人公は緒川絵里という少女。再婚した母親と、新しい父親と血のつながらない妹と暮らしている。  絵里は、徐々に道を踏み外し、社会から転落していきます。  ブンさんを通して語られる世界観  ブンさんは望太のホームレス仲間で、ホームレス仲間や望太の心の師匠みたいな存在です。ブンさんを通して、神の存在とか、無心になる方法とかが語られます。  しかし、そのブンさんがインドに行ったとか、ネパールに行ったと言うのが、嘘であると最後の方で分かります。  そうなると、ブンさんは妄言を行っていたことになります。望太もそのことに対して疑心暗鬼になりますが、読者の私もよくわからなくなってきます。  ことばだけなら何とでも言えるということでしょうか?  望太と絵里の接点  望太は絵里の実の父親であり、望太は自分の犯した殺人を悔い、ホームレスをしています。望太はある事件をきっかけに、絵里が近くにいることを知り、絵里を強く意識するようになります。  ホームレス殺人事件  そんな中、ホームレス仲間が何者かに襲われます。その見えない襲撃者のために、仲間が散り散りになります。  望太の死と絵里への祈り  最後に望太は、ホームレス襲撃者と揉み合い、サバイバルナイフで刺されます。  途切れ行く意識の中で望太は絵里に心の中で語ります。 「泣きたいことがあったら、川にそっとつぶやきな...

村上春樹 特別寄稿 「猫を棄てるー父親について語るときに 僕の語ること」の感想・レビュー 名もなき一滴の雨水

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 このエッセイは文藝春秋2019年6月号に掲載されました。  村上春樹が自分の父親や、ルーツについて綴った(つづった)初めてのエッセイになります。  本文の内容について触れていますので、ネタバレに注意してください。  猫を棄てる  冒頭に、題名になっている猫を棄てる場面が描かれています。  「父親と、家で飼っていたもう大きくなった雌猫を、2キロくらい離れた防風林に棄てた。ところが、自転車で帰ってくると、その猫が玄関で出迎えていた。」という内容のものです。  この話は父親との「ひとつの素晴らしい、そして謎めいた共有体験」として語られています。  この話は事実なのでしょうが、棄てるという行為とその猫が帰ってきていたということが、このエッセイの内容の暗喩として語られていると思います。  村上家のルーツ  話は村上家のルーツになります。おじいさんがお寺の住職で、その子供である父親の兄弟達も、お寺と関係があったようです。  父親と戦争と村上春樹  父親は先の戦争に従軍していたそうです。その足跡を作者は細かく追跡しています。  その中で、父親が中国兵の処刑に関わったことを語ったことがある、と述べています。その回想について、息子の自分がそれを疑似体験して、部分的に継承したと語って、それが人の心の繋がりというもので、「その本質は<引き継ぎ>という行為、あるいは儀式の中にある」と述べています。  村上作品に登場する濃い戦争の影はここに原点があることが分かります。(「騎士団長殺し」においてそれは顕著に表れています)  ひとりの平凡な人間  村上春樹はエッセイの最後にこう語っています。  「言い換えれば我々は、広大な大地に向けて降る膨大な数の雨粒の、名もなき一滴に過ぎない。固有ではあるけれど、交換可能な一滴だ。しかしその一滴の雨水には、一滴の雨水なりの思いがある。一滴の雨水の歴史があり、それを受け継いでいくという一滴の雨水の責務がある。我々はそれを忘れてはならないだろう。」と。  ”交換可能な一滴”とは、交換可能な「商品」として扱われている現代のグローバル社会における”人間”のことを指していると思われます。  死について  また、「一滴の雨水」としての我々個人が、「個体としての輪郭を失い、集合的な...

「職業としての小説家」村上春樹 感想・読後レビュー 村上春樹の小説の成り立ち

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   「職業としての小説家」は2015年9月にスイッチ・パブリッシングより発行された村上春樹のエッセイ集です。  村上春樹が彼の小説を書くことに関する見解の(今のところの)集大成としてのエッセイ集です。  「職業としての小説家」という題名は経済学者マックス・ウェーバーの「職業としての政治」からつけられたものだと思われます。  ネタバレ注意  本書の内容に関する記述がありますので、ネタバレに注意してください。  小説を書くきっかけ  村上春樹の小説について語る時には、デビュー作の「風の歌を聴け」を書くことになったきっかけは欠かせないものです。  当然、その経緯について、この本には細かく書かれています。  抜粋して要約します。 「1978年の4月に神宮球場で野球観戦をしていた時に、一回裏のヤクルトのヒルトンが二塁打を打った時に「何の脈絡もなく、何の根拠もなく、ふとこう思ったのです。『そうだ、僕にも小説が書けるかもしれない』と。『それは、空から何かがひらひらとゆっくり落ちてきて、それを両手で受け止められるような気分でした』それは啓示のような出来事でした。」  村上春樹は、それを英語でエピファニー(epiphany)と言い表しています。「ある日突然何かが目の前にさっと現れて、それによって物事の様相が一変してしまう」ことと説明しています。  頭の中の抽斗(ひきだし)について  村上春樹の作品は細かいデティールにこだわった場面が多いのですが、そのようなものを組み立てていくのに重要なのが、「有効に組み合わされた脈絡のない記憶」であり、それを保存しておくのが、頭の中の膨大な数の抽斗(ひきだし)であると語っています。  作品の中でも抽斗ということばがよく出てきます。  「E.T 方式」のマジック  スティーブン・スピルバーグの『E.T』の中でE.Tが物置のがらくたをひっかき集めて、即席の通信装置を作ってしまうシーンがあります。それを、引き合いにして、優れた小説は、なんでもないものに「マジック」をかけて、洗練されたものに変えてしまうことが必要である。と言っています。  この「マジック」も村上春樹の小説を書く力なのでしょう。    世界で受け入れられる村上小説  村上春樹は自分の小説が世界で受け入れられているこ...

「女のいない男たち」村上春樹 感想・読後レビュー 村上春樹のコンセプト・アルバム的な短編集

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  「女のいない男たち」は2014年4月18日に文藝春秋より発売された短編集であります。  作者が前書きに本著の内容に触れています。この短編で描かれているのは文字通り「女のいない男たち」なのです。いろんな事情で女性に去られてしまった、あるいは去られようとしている男たちの話です。  ネタバレ注意  ここからは、小説の内容に触れていきますので、ネタバレに注意してください。  作品の内容  ドライブマイカー  運転に関する描写が細かい。  車の振動、シフトチェンジの滑らかな動きの中で、家福と渡利みさきの会話は行われる。  二人の会話と妻に先立たれた家福の回想でこの物語は語られる。  この作品が文藝春秋に掲載された際、  「火のついた煙草をそのまま窓の外に弾いて捨てた。たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう。」  という表現を使っていました。  これに対して、北海道・中頓別町の町会議員から「偏見と誤解が広がる」と抗議を受け、単行本では、架空の「北海道※※郡上十二滝町」と改められました。  しかし、村上作品の中に町名が残ったほうが町のPRになったのではないかと思います。  イエスタデイ  栗谷えりかの見た氷で出来た月の夢。とても儚くて、切なくて、美しい夢。  この話の登場人物は皆、知的で品があり、育ちの良さを感じる。  主人公の谷村、大阪弁を喋る木樽、栗谷えりか。 「何があろうとその繊細なアイメイクを損なうわけにはいかない」  このような言葉の紡ぎ方が村上作品独特の透明感を作り出していく。  独立器官  渡海医師が食を絶ち、痩せ衰えていく姿から、話としてはつながりがないが、上田秋成の「青頭巾」の鬼を連想した。ベッドの上で後藤の姿を何も言わず、目だけで追う渡海は強烈なイメージで死を連想させる。  シェエラザード  外界と隔てられた「ハウス」で、羽原の唯一の外界との接点となっている女が「シェエラザード」である。  シェエラザードの話には羽原を惹きつけるものがある。  前世はやつめうなぎであり、そして、湖の底で石に吸い付いて、ゆらゆら漂っていた。  彼女が高校の時、クラスの男の子の家に空き巣に入る話は、その女子高校生的な感覚にむせるほどである。  シェエラザー...

「風の歌を聴け」 村上春樹 感想・読後レビュー 村上春樹の小説デビュー作

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 「風の歌を聴け」は1979(昭和54)年発表の第22回群像新人文学賞を受賞し、同年5月発売の『群像』6月号に掲載されました。そして、同年7月23日に講談社より単行本化されました。  タイトルはトルーマン・カポーティの短編小説"Shut a Final Door"(最後のドアを閉めろ)の最後の一行”Think of nothing things,think of wind"から取られました。  この小説を書いたいきさつ  村上春樹は後年、エッセイ「走ることについて語るときに僕のかたること」の中で、この小説を書いたいきさつを書いています。  1978年4月1日の午後1時半前後、神宮球場のヤクルトスワローズ対 広島カープの試合の一回の裏、デイブ・ヒルトンがレフトヒットを打った時に、「そうだ、小説を書いてみよう」とひらめいたそうです。  「空から何かが静かに舞い降りてきて、僕はそれを受け取った」と彼は書いています。  その文章の中で、この作品を「1973年のピンボール」と一緒に「感覚的な作品」であると自ら評しています。  ネタバレ注意  このあとは、話の内容に触れる部分があるので、ネタバレに注意してください。  鼠との出会い  話は、村上春樹の前記作品の主要な登場人物の鼠と僕の青春物語です。特に鼠との出会いのフィアット600の事故の場面などは青春映画の一場面を見ているようです。  気の利いたセリフや箴言の羅列で、物語は進んでいきます。  コカ・コーラをかけたホットケーキ  ノーベル文学賞の発表の時期になると、よくハルキストが、ホットケーキにコカ・コーラを一瓶かけて、4つに切ったものを食べていますが、それは鼠の好物で、この小説の中に出てきます。  デレク・ハートフィールド  僕が影響を受けた、アメリカの小説家「デレク・ハートフィールド」はこの小説の中で、何度も出てきます。  この小説家が架空の存在であることを、このブログを書く時に初めて知りました。  団塊の世代  村上春樹は1949年生まれで、ちょうど団塊の世代にあたります。そのため、この小説にも、学生運動などが出てきます。  村上作品のエッセンス  文章のリズム感や、一見回りくどい表現や、次...

「罪の声」塩田武士 感想・読後レビュー テープの声の子供のその後

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 「罪の声」は塩田武士 原作のサスペンス小説です。2016年講談社刊行です。グリコ森永事件をモチーフにしています。  2016年週刊文春ミステリーベスト10国内部門1位、第7回山田風太郎賞受賞、2017年本屋大賞第3位、など数々の評価を受けています。  2020年に小栗旬、星野源等のキャストで映画の公開が予定されています。  本文中で、小説の内容について触れていますので、ネタバレに注意してください。  グリコ森永事件  この小説はグリコ森永事件という、1984(昭和59)年から1985(昭和60)年にかけて阪神を舞台に食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件をモチーフにしています。  その時、身代金等の受け渡し場所を指示した録音のテープに子供の声が使われていました。その子供の声が、残酷な事件とアンバランスで、人々の印象に残りました。  その声のことを本の題名にしているようです。  装画について  この本は、まず、装画がとても印象的です。くすんだ地下通路を思わせる薄い土色の壁に、大人のドクロとそのドクロを見上げる人形を思わせる子供の像が浮かび上がっています。この絵はこの小説の内容を暗示しているかのようです。  あらすじ  テイラーの曽根俊也は自宅で一本のカセットテープをみつけます。そして、それが「ギン萬事件」で使われたテープの声と同じものだと気づきます。そして、それは俊也の幼いときの声だったのです。そこから、俊也は自分と「ギン萬事件」の関係を調べていきます。  一方、大日新聞の文化部の阿久津英士は社会部の鳥居から、「ギン萬事件」について取材するように指示を受けます。  二つの捜索が並列して描かれていきます。  話が進んでいくと二人の取材が重なり合い、共同で事件の真相に迫っていきます。  そして、クライマックスを迎えるのです。  フィクションと現実  フィクションと、実際の事件が混在して描かれており、どこに境目があるのかわからなくなります。  しかし、実際の事件の衝撃性、ドラマ性、存在感をもとに、その謎解きをフィクションの中で、最大限に再現してみせたものであると思います。  子供の声のその後  テープには3人の子供の声が使われていました。その声の子供の31年たった、その後がこ...

人質の朗読会 小川洋子 感想・読後レビュー 極限状態での朗読会

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   本作品は『中央公論』にて、2008年9月号から2010年9月号にかけて年4回掲載されました。  2012年度の本屋大賞にノミネートされ、第5位にランクインしました。  単行本は2011年2月25日に中央公論新社より出版されました  2014年に中公文庫化され、同年WOWWOWにてテレビドラマ化されました。(小説の内容について触れていますので、ネタバレに注意してください)    南米のとある国で人質にとられたマイクロバスの日本人ツアー客。  その事件の現場で、録音された盗聴テープ。その中には人質の8人が行った朗読会の声が収録されていた。その朗読会のラジオ番組という形で、この作品は語られる。(8人はもう亡くなっている)  いつ殺されるかわからない極限状態で行われたであろう朗読会。しかし、その中で語られたのは、彼ら人質それぞれの、人生の核となるものを形作ったエピソードの数々であった。  とても平易な語り口調で綴られる物語は彼らがもう亡くなっていることもあり、セピア色の写真を見るようである。  小川洋子の作品の中でも、その完成度の高さからもっとも好きなものの一つです。  小川洋子の特徴のひとつのグロテスクさがあまり前面に出ず、叙情的な部分が際立った作品であると思います。  私は特に「槍投げの青年」が好きです。陸上競技特有のストイックさや、力強さや、繰り返しのルーティーンからの高揚感などが、その文章の中で鮮やかに蘇ります。  第一夜 杖  町の鉄工所独特の喧騒や、匂いや、火花がこの女性の話の中で、鮮やかに表されている。そして、鉄工所の中にある「世界を創造する力」が女性の足を救う。  第二夜 やまびこビスケット  ビスケット工場に勤める女性と整理整頓を信条とする年をとった女性の大家さんの話。アルファベットのビスケットが大家さんと女性をつなぐ役目をする。  第三夜 B談話室  幻のような公民館の「B談話室」。  その中では不思議な会合が開かれている。  僕はその会合に潜り込み、その会合の一員となる。  第四夜 冬眠中のヤマネ  僕とおじいさんと、冬眠中のヤマネの縫いぐるみ。  その縫いぐるみは僕の一部となった。  第五夜 コンソメスープ名人  8歳の私が隣の娘さんのコンソメスープ作りを手伝う。   ...

読書好きに必須の公立図書館の利用方法

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 本好きの私には公立図書館の利用は習慣のようになっています。図書館の良い点は自分ではお金を出して買うことのないだろうと思われる本を直接手に取って読める点です。それによって自分の読書の幅や、興味の幅が大きく広がることになります。自分の好きな作家や作品も多くが図書館の本をきっかけにしています。    図書館のシステムはそれぞれの自治体によって違っていると思いますが、私の通っている図書館を例にとって説明していきます。(実際に利用する時は自分の通う図書館のシステムを確認してください)  まず、資料を借りるには、図書利用券が必要になります。その自治体に在住・在勤・在学・隣接市区町に住んでいる人は誰でも作れます。運転免許証、保険証、社員証など住所、勤務先を証明することができるものが必要となります。私の地区の利用券は数年前からリライトカードになりました。  本を借りるには借りたい資料に図書利用券を添えてカウンターにもって行きます。貸出冊数は一人10点以内です。うちCDは5点以内、DVD2点以内です。貸出期間は本・雑誌15日以内、CD、DVDは8日以内です。  借りたい本が貸し出されていた場合は貸出予約ができます。準備ができしだい、電話・メールで連絡がきます。取り置き期間は8日間です。予約はネットからもできます。ただし、貸し出されずに書架にあるものは予約できません。  読みたい本が図書館に所蔵していない時は、リクエストをすると、新たに購入したり、他の図書館から取り寄せたりしてくれます。  蔵書はネットにて検索ができます。貸出状況も見ることができます。  返却は視聴覚資料、紙芝居をのぞいた本はブックポストを利用することができます。貸出を延長できるのはその資料に予約が入っていない場合に限ります。カウンターで再度、15日(CDは8日)延長できます。  これが、おおまかな流れになります。隣接市区町でも借りられるという所が良い点で、借りることができる蔵書が一気に増えます。また、上の都道府県図書館も利用すれば、もっと蔵書が増えることになります。  図書館では除籍となった本の無料配布も定期的に行っています。自分の気に入った本が見つかれば無料で手に入れることができます。お知らせ等を忘れずにチェックしましょう。  図書館では、ビデオ、DVDの視聴コーナーがあり、モ...

騎士団長殺し 村上春樹 感想・読後レビュー 絵を描くことを小説にする

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   2017年2月25日発行の本であるから、2年遅れで読んだ感想です。図書館でたまたま借りれたので読むことができました。本の内容にふれていますので、ネタバレに注意してください。  この作品は2002年の「海辺のカフカ」2009年の「1Q84」につながる長編小説であると思います。これらの作品には共通するモチーフとなるものが多くあります。そして作者の新しい世界は私を魅了しました。  この作品の特徴をあげてみました。    絵画を書くことを描写する  この物語は一貫して絵画を通して話が進んでいきます。作者自身が絵画の創作を仕事にしているように具体的で細かな描写です。絵というのは言葉より原始的で人間が生まれたころから使用されてきた表現方法です。それを、言葉で表現していくのは、今の村上春樹だからこそできることであると思います。  夢の中での受胎とその子供  1Q84に出てきたのと同じように空間を超えて夢の中で受胎する話が出てきます。それは1Q84の時より、生々しくないです。そして、この話の中では最後の場面で、その子供はもう生まれていて、温かい家庭の中で健やかに育まれています。これが今までの作品になかった結末です。1Q84などは新しい出発を予感させる場面で終わっていますが、それはハッピーエンドとは違ったものでした。しかし、この作品では穏やかな日常が最後に描かれています。  暴力的なことの封印 騎士団長殺し  「騎士団長殺し」「白いスバル・フォレスターの男」の2つの絵画は暴力性の象徴のような作品です。それを、「私」と秋川まりえが屋根裏部屋にしまい込む行動は、暴力的なことを隠すことを表している気がします。  何度も繰り返し、表現されている騎士団長殺しの絵は、この作品の一番のテーマになっています。そしてイデアの騎士団長は自らの意志で「私」に刺し殺されます。この場面は「海辺のカフカ」でジョニーウォーカーを刺す場面と通じるところがあります。死と再生を表しているのでしょう。  異世界への侵入  この作品で「私」はっきりした形で異世界に入り込み異世界で試練にあいます。それは死後の世界のようでもあります。  その他、すべてとりあげていったら小説をそのまま書き写すことになるので、ここで終わります。  絵画を表現することと、夫婦と...

電子書籍 比較 google play books 青空文庫 編

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 google play books  google play books は言わずとしれた google の電子書籍であります。google play のサービスの一部として利用できます。リーダーアプリもあります。ショップはgoogle playと一体になっており、google playから検索できます。値引き本や無料本もそろっています。洋書も普通に扱っています。ショップの品揃えとしては他の電子書籍に遜色はないでしょう。  リーダーアプリはページを少し小さくして横に送って一覧できる機能がとても使いやすいです。  読み上げ機能  また、独自に読み上げ機能があります。これは、小説を音声で読み上げてくれる機能で、googleの開発力の強さが生かされてます。これからますます機能が増えていく期待が持てます。  google play booksを使いはじめたきっかけは、400円の無料クーポンが配られたことでした。村上春樹の本を買いました。googleの愛用者は支払い方法も同じ物を使えるし、androidスマホならばアプリもプリインストールされているので、すぐに使えます。    青空文庫  番外編として青空文庫についてふれておきます。  青空文庫は著作権の切れた著作物をボランティアの手でインターネット上に公開したものです。booklive!でもamazonでも青空文庫として無料で公開しています。直接ホームページに入ってデータを取ることもできますが、青空文庫用のビューアアプリが多数出回っています。私も始めはbooklive!でダウンロードして読んでいましたが、今読む時は青空文庫ビューアAdを使っています。データが小さいのでストリーミングでも負担になりません。ただ、フォントが限られているので、それを気にする方は電子書籍でダウンロードしたほうが良いでしょう。宮沢賢治、夏目漱石、芥川龍之介などのほとんどの作品が読むことができます。  著作権が50年から70年に  TPP11により、2018年12月30日より著作権の切れる期間が没後50年から70年に変更されました。公開が間近であった三島由紀夫や川端康成の作品が20年後に延長されました。現代の作家でも、公開を了承した作家の作品は公開されています。例えば、片岡義男の一部の作品は公開...

電子書籍 比較 auブックパス編

 私がauブックパスを使いだしたのは単純なきっかけでした。まず、私がauのキャリアを使っていたこと。そして、ブックパスの読み放題コースでは月刊誌「将棋世界」の最新刊を読むことができることです。   将棋世界はamazon kindleで一冊税込700円である。それが総合コースなら606円(税込)マガジンコースなら410円(税込)で読めるのです。それを使わない手はないです。kindle unlimitedの場合、バックナンバーしか対象になっていません。    ブックパスの雑誌類は充実していて、東洋経済、ダイヤモンドなどの経済誌、アスキーなどのパソコン関係の本も読めます。  ブックパスはこの読み放題が特徴で、リーダーも読み放題に特化したようなものになっています。一度読み放題で読んだ本はすべて本棚に並べられます。ダウンロードもできるのですが、ダウンロードした本とストリーミングで読んだ本の区別がよくわからなくなります。  総合コースは雑誌以外にも単品の本も読めるのですが、ラインナップは正直なところ貧弱です。私が読む価値があると思うのは椎名誠の古いエッセイぐらいです。  単品の本も買うことができますが、ビューアーの性能が落ちるのであえて買うこともありません。ただし、auのサービスでたまにブックコインが手に入る時があるので、その時は買います。他のストアは税込み価格で表示してありますが、ブックパスは税抜きで表示しているので注意が必要です。

電子書籍 比較 amazon kindle編

 電子書籍の巨人のamazon kindle です。  蔵書は600万冊(推定)洋書も取り扱っているので正確な数はつかみきれません。  私が使い始めたきっかけは月刊誌「将棋世界」がbooklive!になくてkindleにあったからです。その頃はandroidタブレットでwifi仕様のASUS memopad7を使っていました。2016年2月号のことです。性能が悪いせいもあり、立ち上げも読み込みも遅かったです。本のデータも本体ストレージにしか入れることができず、多くの本を持ち運ぶのには不向きに感じていました。  ところが2018年8月25日にandroid版kndle使用者には待望のバージョンアップがあり、SDカードに本のデータを入れれるようになりました。それ以降私も積極的にkindleを使うようになっています。  kindleのショップからは、ほぼ毎日日替わりセールのメールが届きます。アマゾンの日替わりセール、月替りセールは本の内容がbooklive!よりも勝っています。特に、日替わりセールは新しい内容の新書などが出るときがあり、目が離せません。  アマゾンの一番注目するべきところは、読み放題の本があるところです。アマゾンプライムの会員の場合、無条件にプライムリーディングのサービスを受けれます。対象の本は一度に10冊まで読み放題になります。kindle Unlimited の場合、月額980円かかりますが、より多くの本が読み放題になります。(こちらも一度に10冊まで)10冊入る本棚があり、そこが埋まっている場合は、その中の一冊を外に出して、新しい本を入れるイメージです。Unlimitedはお試しで使っていますが、ラインナップに自分の読みたい本がいかに多くあるかが問題になります。私の場合はあまり当てはまりませんでした。私の読みたい本はUnlimited以外に多くあるようです。  支払いは、ほぼワンクリック(少しの間だけキャンセルがきくみたい)ですので、注意して本を買う必要があります。  読書好きとしては、アマゾンの圧倒的なパワーを使わない手はないでしょう。

電子書籍 比較 booklive!のレビュー

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 私は電子書籍を愛用しています。  タブレットにて、booklive! Amazon kindle  ブックパス google play ブックス を使っています。それぞれ一長一短がありますが、私なりの感想を書いていきたいと思います。  booklive!  まず、私がもっとも利用している booklive!(ブックライブ)です。  凸版印刷グループで、三省堂が提携しています。蔵書数は80万冊以上で、漫画から医学書まで幅広いジャンルを取り揃えています。  私がbooklive!を使いだしたのは電子書籍端末Lideoを買ったのがきっかけです。会社の同僚が使っているのを見て私も買いました。WIMAXと無線LANで通信費がいらないのが魅力でした。   割り引きについて  今はタブレットにアプリを入れて使用しています。booklive!のいいところは、けっこう頻繁に割引きを受けれる点です。ホームページにクーポンガチャというボタンがあり、それを押すとガチャで「漫画全作品50%OFF」とか「全作品20%OFF」とかなんらかのクーポンが当たり、それを入手すると支払いの時に適用することができます。  私は常連だったので、週末ごとにシークレットクーポンといって15%オフのクーポンが付与されていました。(最近は少なくなっています)25%OFFクーポンとか当たると、躊躇していた本までも買ってしまいます。  クーポンとは別にキャンペーンや特集で常になんらかの値引きをしている印象です。気になる本をフォローリストに入れておくと、その中から値引きのある本をリストにした値引きリストを見ることができます。  リーダーアプリも私は使いやすいと思います。つい最近まで、本棚の数が20が上限だったのが300に増えました。頻繁に使いやすいようにバージョンアップしているようです。kindleアプリでできないピンチアウト、ピンチインの操作が出来ます。  Tポイントが使える、貯まる  booklive!はTポイントと連携していて、1ポイントからTポイントが使えます。また、会員ランクによって付与率が変わるのですが、ポイントが貯まります。(オレンジ0.5%シルバー1%ゴールド2%プラチナ3%)リアルカードと電子ポイントを紐つけておけば、ファミリーマ...

読書について

 本が好きである。いろいろなジャンルの本を読む。  文学、科学、数学、歴史、宗教などである。  今は、新しく買う本は電子書籍のみにしている。紙の本は図書館で借りる本のみである。  電子書籍は”booklive!" ”amazon kindle" "google play books"を利用している。  電子書籍にする前は、本を数冊寝床に持ち込んで、眠りにつく前の楽しみにしていた。今は寝床で本を読む習慣はなくなった。  好きな作家は村上春樹、藤沢周平、佐藤雅美、小川洋子、宮尾登美子などである。  毎月購読しているのは月刊誌PHPである。  一番好きな作品は藤沢周平の「蝉しぐれ」である。もうひとつサンテクジュペリの「Le Petit Prince」である。  村上春樹の「1Q84」も、深く感銘を受けた作品である。この本が出版されたころは村上春樹は社会現象みたいになっていた。  成人しても漫画を読み続けていたが、ここ10年くらい漫画をピタッと読まなくなった。不思議なものである。  日本の古典には興味がある。いつか、現代語版でよいから、「源氏物語」を通しで読みたいと思っている。  若い頃は、シェークスピアにはまっていて、福田恆存さん訳のものを好んで読んでいた。  一時期、池波正太郎にはまって、鬼平犯科帳をかなり読んだが、最近は藤沢周平や佐藤雅美の方が好きである。  仏教関係の本もよく読んでいる。  本の良いところは、人生を充実させてくれるところであると思う。なにもしないでボーッとしていると、それは無為な時間であるが、本を読むと、読書が心を満たしてくれる。  図書館のこともふれたいと思う。近くの市営図書館はかなり積極的で、村上春樹の新作も早くから入庫している。ただ、順番待ちになってしまうので、なかなかすぐには読めない。  市営図書館は2つあり、西図書館は近いが東図書館のほうが蔵書が圧倒的に多い。最近は近くて、歩いても行ける西図書館によく通っているが、自転車とか車で東図書館もよく通った。東図書館で借りても返却は西図書館でもよいので楽なのだ。東の蔵書で佐伯泰英の陽炎の辻に一時期はまって読んでいた。これは、電子書籍にないのだ。  電子書籍は蔵書にはよいが、一覧して本を見ることができないのが難点である。その点、...