世界を変えた10冊の本 池上彰 感想・読後レビュー 世界のニュースを見るときに知っておきたい本

紹介されている資本論のマルクスの似顔絵

 池上彰さんが「世界を変えた本」10冊を選んでその内容を分かりやすく解説した本です。

 1   アンネの日記
 2   聖書
 3   コーラン
 4   プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
 5   資本論
 6   イスラーム原理主義の「道しるべ」
 7   沈黙の春
 8   種の起源
 9   雇用、利子および貨幣の一般理論
 10 資本主義と自由

 という選定になっています。

 池上彰氏について


 池上彰氏はフリーのジャーナリストです。
 1950年生まれ。慶応大学卒業後、NHKに記者として入社しました。NHKの「週刊こどもニュース」のお父さん役としてわかり易い解説で人気を博しました。
 フリーに転身後は「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」や、選挙特別番組「池上彰の選挙スペシャル」などの番組でキャスターをつとめて活躍しています。その一方、名城大学教授、東京工業大学特命教授など、多くの教授職を兼任しています。

 「アンネの日記」


 「世界を変えた10冊の本」は女性誌「CREA」で、毎月1冊ずつ、連載したものです。女性をターゲットにしているから、「アンネの日記」が一番はじめにきているのでしょう。
 池上さんは「アンネの日記」があるから”アラブ諸国を除く国際社会がイスラエルの味方をするのだ”と解説しています。
 思春期に、性に目覚めていくアンネと、ユダヤ人女性としての自覚に目覚めていくアンネと、2つの面に注目しています。

 宗教の本「聖書」「コーラン」「イスラーム原理主義の道しるべ」


 2000年代はテロの時代でした。それを読み解くためには、「聖書」「コーラン」に関する知識が欠かせないでしょう。

 日本は西洋の影響を大きく受けているので、「聖書」に関する話は日常でも触れる機会が多いと思います。
 旧約聖書、新約聖書の”旧約”、”新約”とは、古い契約、新しい契約の意味です。押さえておきたいポイントです。

 対して、イスラム教の「コーラン」はアラビア語で書かれていることもあり、詳しく説明を受けてもよく分からない点が残ります。池上さんはコーランを穏やかな経典と説明しています。
 イスラムだから紛争になるのではなく、紛争地帯に、たまたまイスラム教徒が居住していたことが多いと述べています。
 
 また、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の一神教の信仰の対象の神が”同一の神”であることが説明されています。それら、同じ神をあがめるもの同士が敵としていがみ合うのはおかしなことであると感じました。

 科学の本「種の起源」「沈黙の春」


 「種の起源」に書かれている進化論は、キリスト教的な世界観を根底から変えたものでした。それは、現代の遺伝子学、分子生物学の基礎となっています。

 「沈黙の春」は50年以上前に、化学物質による環境への影響について書かれた本です。
 現代の環境問題の先駆けとなる著作です。

 経済の本「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」「資本論」「雇用、利子および貨幣の一般理論」「資本主義と自由」


 現代社会において、経済は社会の一番重要な活動のひとつです。

 その経済活動の理論的な基礎となっている本を取り上げています。 
 
 古典的な著作が多いですが、現代においてもその本の影響力が続いているものであると感じます。

 特にケインズ経済学と新自由主義は、現代においてその存在感を特に大きくしています。
 現代の政策に、こんなにしっかりしたバックボーンとなる著作があったとは、はじめて知りました。

 まとめ


 10冊の本は今のニュースを読み解くのに欠かせない選定です。

 原著は難しくて、読む気にもならない本が多いので、池上彰さんの解説で、その内容やエッセンスを取り入れるようにしましょう。

 イスラム関係の本が多いのは2000年代の時代を反映したものでしょう。

 わかり易い解説で評判の池上彰さんの解説でも原著の引用箇所は難しいです。

 現代に生きるものとして、教養のひとつとして読んでおきたい1冊です。

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