渡辺明頂上決戦を制す! 第90期 棋聖戦のまとめ 渡辺明対豊島将之 渡辺明2冠が3勝1敗でタイトル奪取



 第90期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局が7月9日行われ、渡辺明2冠(王将、棋王)が136手で、豊島将之棋聖を破り、対戦成績を3勝1敗として、棋聖のタイトルを奪取しました。

 棋聖戦五番勝負第4局は新潟市の「高志の宿 高島屋」で、午前9時より行われました。持ち時間は各4時間豊島将之棋聖の先手で始まりました。

 これまでの成績は渡辺明の2勝(第2局第3局)1敗(第1局)です。豊島将之棋聖はカド番にてこの対局をむかえました。

 まず、指し始めの4手目、後手4四歩で、渡辺明二冠は角交換を拒否しました。これが、渡辺の意表をつく作戦でした。豊島将之棋聖はそれに動じずに対処して、作戦の幅の広さを感じられました。

 渡辺明二冠は雁木に組んでいきます。それに対して先手の豊島将之棋聖は29手目4五歩と10時前の早い時間から駒をぶつけていきます。

 戦いは8筋で行われ、豊島将之棋聖が後手8七歩を受けずに7四歩と踏み込みましたが、渡辺明二冠は8七と、8八銀と押し込んでいきます。

 渡辺明二冠が攻めて、豊島将之棋聖が守るという展開が続いていきます。

 豊島将之棋聖もカウンターを決めようと飛車を成り込みますが、渡辺明の82手目7四桂という、予想しない手が飛び出して、そこから渡辺明二冠が細い攻めをつないでいき、136手目後手4八角の局面で、豊島将之棋聖が57秒まで読まれて、両手をひざの上に置いて「負けました」と告げました。

 対局後のインタビューで渡辺明二冠は
 「長くいい状態が続いていて、こういう結果に結びつけることができて良かったと思います。」と語っています。
 一方敗れた豊島将之棋聖は
 「力不足だったのかなという感じで。第2局、第3局は、あまりチャンスがない将棋だったので。今日の将棋はちょっと調べてみないとわからないですが」と答えています。

 第1局は豊島将之が鮮やかな逆転勝利を飾りましたが、第2、第3局は渡辺明が競り勝っています。
 番勝負に強い渡辺明新棋聖の強さが光った五番勝負であったと思います。

 ちなみに、第90期棋聖戦での藤井聡太七段の成績は、一次予選を勝ち上がり、二次予選の決勝で久保利明九段に負けるというものでした。

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