第32期竜王戦のまとめ 豊島将之竜王・名人誕生
第32期竜王戦七番勝負が広瀬竜王と豊島名人の間で行われ、豊島名人が通算4勝1敗で広瀬竜王を破り、竜王位を奪取しました。
豊島将之名人は、谷川九段、羽生九段、森内九段に続き、史上4人目の「竜王・名人」となりました。
藤井聡太七段の活躍
今季の竜王戦で目立ったのは藤井聡太七段の活躍です。
藤井聡太七段は竜王戦と相性が良いようです。
初出場の2017年の30期では6組で優勝しました。決勝トーナメントの佐々木勇気五段(当時)との一戦は連勝記録にピリオドを打つ注目の対局となりました。
2018年の31期は5組優勝をはたしています。
今期も菅井七段に勝ち、4組優勝となり、着実にステップアップしていっています。
決勝トーナメントでは、去年、順位戦の昇級にストップをかけられた因縁の近藤誠也六段に勝ちました。
次の対局では順位戦A級で振り飛車党である1組5位の久保九段と対し、184手の激戦を制しました。
4回戦は1組4位の豊島名人との対局です。この対局は146手で、豊島名人が勝ちました。
豊島名人とはこの対局を含めて、豊島名人の3勝0敗で、藤井七段にとって大きな壁となっているようです。
豊島名人の勝ち上がり
豊島名人は、5回戦で1組優勝の渡辺明二冠(当時)とあたりました。豊島名人と渡辺二冠はこの対局の前に棋聖戦五番勝負を戦っており、渡辺二冠が3勝1敗で棋聖位の奪取に成功しています。
この対局は93手で豊島名人が勝ち、挑戦者決定三番勝負に進みました。
挑戦者決定三番勝負は木村一基九段(当時)との間で行われました。
豊島名人と木村九段は王位戦七番勝負でも対戦していて、豊島対木村の十番勝負と言われました。
この三番勝負は豊島名人が2勝1敗で勝ちました。(この対局の後の王位戦では熱戦の末、木村九段が4勝3敗で王位を奪取しました)
竜王戦七番勝負
七番勝負では難しい将棋が続きましたが、広瀬の猛攻に対して、豊島の正確ですきのない詰みを逃れた受けで、逆転劇が続き、4勝1敗で豊島名人が竜王位を奪取して、竜王名人の称号を手にしました。
最近のタイトル戦の傾向として、防衛が難しくなっているようです。
敗れた広瀬竜王も1月には王将戦七番勝負を渡辺明王将と対局しますので、巻き返しを図りたいところです。
豊島将之、渡辺明、広瀬章人の3人は現在のレーティングの上位にいる棋士なので、しばらくの間はタイトル戦の中心となることでしょう。
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