藤井聡太対局速報 第69回NHK杯2回戦第2局 対久保利明戦 千日手指し直しの大熱戦に敗れる
8月25日(日)午前10時半放送の第69回NHK杯テレビ将棋トーナメント2回戦第2局にて、藤井聡太七段(17)と久保利明九段(43)が対局し、久保利明九段が千日手指し直し局を制し、137手で勝ちました。
久保利明九段
久保利明九段は順位戦A級、竜王戦1組の強豪です。
NHK杯では2003年、第53回大会で優勝しています。
タイトルは棋王3期、王将4期の計7期獲得しています。
久保九段は振り飛車の第一人者として知られています。その差し回しから、「捌き(さばき)のアーティスト」と呼ばれています。
これまでに対戦は3回あります。
3月11日 棋聖戦二次予選決勝 127手 久保九段の勝利
7月5日 竜王戦決勝トーナメント3回戦 184手 藤井七段の勝利
8月22日放送 銀河戦決勝トーナメント1回戦 146手 久保九段の勝利
と、なっておりいずれも接戦になっております。
今回のNHK杯の結果、久保九段の3勝1敗となりました。
第69回NHK杯テレビ将棋トーナメント
藤井聡太七段は前年の新人王戦優勝、朝日杯優勝などの実績により、今回は本戦1回戦からのシードになります。本戦1回戦で坂口悟六段に勝利し、2回戦に進出しました。
久保利明九段は2018年12月時点で、王将のタイトルを保持していたこと、及び順位戦A級在籍のことから、本戦2回戦からの出場になります。
対局
先手は振り駒の結果藤井七段です。
後手久保九段が、6手目4二飛車と飛車を振り、戦型は四間飛車となりました。
久保九段は序盤に3五歩、4五歩と穴熊への牽制の手を指します。先手は駒組みに行き詰まり、同一局面が4回現れ、千日手となりました。将棋では一般的に先手の方が有利と言われているので、後手の待機策が功を奏した形になりました。
千日手指し直し局
先手が久保九段に変わります。
久保九段が5手目6八飛車と飛車を振り再び四間飛車の戦型で対局が進みます。
久保九段が55手目7二に先に馬を作ります。藤井七段も右に左にと手をつけて盤面いっぱいに戦いを広げます。
先に考慮時間を使い切ったのは久保九段でした。一手30秒以内となります。
難しい中盤を経て、リードを保ったのは藤井七段でした。藤井七段が龍と馬を作ります。やがて藤井七段も秒読みとなります。
分かれ目となったのは、久保九段の113手目、1四歩に藤井七段が同銀とした一着でした。
それに替えて3六桂ならば、勝敗の行方が変わっていたと言われています。
久保九段はこの局面から優勢に手を進め、115手目1三銀の王手で銀を捨て、121手目1六香で相手の馬と王将を刺し通します。この手ではっきりと久保九段の勝勢となりました。
137手目久保九段の3九金の相駒を指されて、藤井七段が投了を告げました。
久保九段の次の対戦
勝った久保九段は3回戦で、佐藤天彦九段と行方尚史八段戦の勝者と対戦します。
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