第77期 名人戦のまとめ 豊島将之新名人誕生!





 

 第77期名人戦は4勝0敗で豊島将之二冠が佐藤天彦元名人に勝ちました。

 渡辺明二冠が久保利明元王将に挑んだ王将戦七番勝負も、永瀬拓矢が高見泰地元叡王に挑んだ叡王戦も4勝0敗です。内容的にはまったく違うものであると思いますが、スコアは同一になり、いずれも挑戦者が勝っています。

 佐藤天彦元名人は名人位は連続3期目であと2期で永世称号を付与されるところまできていました。

 第1局は、戦型は角換わりで始まりました。角換わりは膠着状態になりやすい戦型と言われています。第1局は千日手になりました。先手の佐藤天彦側が打開すると思われていましたが、良い変化が見つからなかったようで千日手が成立しました。今回の場合、15時過ぎに千日手が成立したので、2日目の9時から先後を入れ替えて、持ち時間を折半してそれぞれの持ち時間から差し引いて2日目の対局が行われました。指し直し局は豊島二冠が時間を余して勝ちました。積極的に指しにいって勝ちを決めました。

 第2局は豊島が2枚のと金を作り、着実に攻めを決めました。

 第3局は佐藤の王手が連続王手の千日手になるため、豊島は詰みを逃れており、そこで佐藤が投了しました。

 第4局は第1局と同様に、千日手模様になりました。しかし、ここで豊島は1六角の打開の一手を指します。最終的にこの1着が第4局の勝敗を左右した気がします。

 名人位獲得後のインタビューで豊島名人はAIについて触れています。話の内容を要約すると、最近、練習将棋で人間を相手に指すことはないそうです。すべて、AIが相手ということらしいです。公式戦の対局が多いのでその中で実戦感覚を養っていくということを語っています。

 豊島名人は次は棋聖と王位のタイトルの防衛になります。棋聖の挑戦者は渡辺明二冠です。頂上決戦といってよいでしょう。
 目が離せません。

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