第4期 叡王戦のまとめ 永瀬拓矢初戴冠!



 叡王戦は前期の第3期からタイトル戦に昇格しています。第3期は高見泰地六段(当時)と金井恒太六段が7番勝負を戦い4勝0敗で高見泰地が初代のタイトルを獲得しました。

 そして、第4期はタイトル戦になってから2回目の叡王をかけた戦いになります。段位戦予選は1時間で戦います。そして、予選を勝ち抜いた棋士が本戦トーナメントに進みます。

 本戦トーナメント1回戦では藤井聡太と斉藤慎太郎が戦いました。この戦いは斉藤慎太郎が勝ちました。藤井聡太の数少ない負け試合となりました。

 本戦トーナメント準決勝では渡辺明と菅井竜也が戦いました。絶好調の渡辺明を菅井竜也が破りました。この戦いで渡辺明の連勝記録が止まりました。

 この戦いを制して、菅井竜也は挑戦者決定3番勝負に進みました。菅井竜也対永瀬拓矢の3番勝負は2勝1敗で永瀬拓矢が挑戦権を獲得しました。

 高見泰地叡王と永瀬拓矢七段の七番勝負は変則持ち時間制で第1・2局が5時間、第3・4局が3時間、第5・6局は1時間で戦うことに決まりました。第7局にもつれた場合は各6時間になります。

 永瀬先手の第1局は角換わりとなりました。高見叡王が押していましたが、叡王は途中で緩手を指し、それから形勢が変わり、永瀬七段が逆転勝ちをしました。この戦いで永瀬七段に勝負の流れが大きく傾いたと思われます。
 高見叡王が先手の第2局は横歩取りになりました。この対局は大差で永瀬七段の勝ちとなりました。
 永瀬七段が先手の第3局はその他の戦型になりました。この対局も永瀬七段が叡王につけ入る隙を与えませんでした。
 運命の第4局は高見叡王の先手で戦われました。戦型は横歩取りです。粘る高見叡王に対して、永瀬七段は着実に寄せを決めて132手で勝ち、叡王タイトルを獲得しました。

 永瀬新叡王は”負けない将棋”という本を出すぐらい粘り強い将棋が持ち味です。今年度はB1に昇格して、どのような戦いを見せてくれるかが楽しみです。今回の結果は実力の違いがはっきり出たものといえるでしょう。

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